診療のご案内

肝臓病

肝臓は“沈黙の臓器”といわれるように、なかなか自覚症状が出ない臓器です。そのため、病気の早期発見のためには、定期的に検査を行っていく必要があります。
肝臓病は肝炎ウイルスに起因する疾患と代謝性疾患に大別されます。
肝炎ウイルスに起因する病気としては、B型肝炎とC型肝炎があります。ウイルスに感染しているかどうかは、簡単な血液検査でわかりますので、まずは検査を受けることが大事です。
B型肝炎、C型肝炎の治療法は新薬が相次いで登場し、C型肝炎に関しては、内服治療にてほぼ100%の治癒が望めます。
ウイルス以外の疾患としては、脂肪肝特にNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)といわれる病態が注目されています。
メタボリック症候群(いわゆるメタボ)の肝臓における表現型とも考えられており、肝臓癌の原因疾患として増加しています。
いずれの病気も慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌と進行していきますので、定期的な血液検査と腹部超音波検査等の画像診断をうけることが重要です。

B型肝炎の治療について

B型慢性肝炎の治療を考慮するうえで、まずは現在のウイルスの状態を知ることが重要です。日本肝臓学会から出されているガイドラインにおいては、年齢とウイルスの状態に応じた治療法の選択が提唱されておられます。
一般的には、核酸アナログ製剤といわれる薬の内服治療が基本となります。
現在数種類の薬がありますが、それぞれの薬に特徴がありますので、内服開始時にしっかりと説明させていただきます。副作用はほとんど認められませんが、長期間にわたる治療が必要となるため、主治医との信頼関係の構築がなにより重要です。
治療期間中に肝硬変、肝細胞癌と進展しないように定期的な画像診断もおろそかにできません。治療費用につきましては、広島県の肝炎治療費助成制度がありますので、申請のお手伝いもさせていただきますので治療費的にも心配なく治療をうけることが可能です。

C型肝炎の治療について

C型慢性肝炎の治療は、以前はインターフェロンの注射を行っておりましたが、現在は内服治療にての治癒が望める状況になっています。
現在はウイルスの型によらず8週から12週間の内服治療で100%に近い治癒率で、副作用もほとんどないため、躊躇なく治療を受けられることをお勧めいたします。
治療薬は高額ですが、広島県の肝炎治療費助成制度が受けられますので、心配なく治療を受けられます。申請のお手伝いもいたしますのでご相談ください。
C型肝炎は、ウイルス排除後にも肝細胞癌の発生は一定の頻度で認められるため、定期的な血液検査と画像診断は必要となります。いずれにしても肝炎の治療及びフォローは継続性が大事ですので、主治医との変わらぬ信頼関係が重要となると思います。